2021年度「教育・福祉・環境助成事業」助成先一覧(11先)
青森県におけるアイヌ文化関係資料の所在及びその受容実態の調査・研究
瀧本 壽史
地域:平川市
青森県は江戸時代、北海道を除いて唯一アイヌ民族が居住した地域であり、津軽半島と下北半島の主に津軽海峡沿岸地域にアイヌ民族の集落があった。
本活動は、本県において現在急速に失われつつある、アイヌ文化関係資料の保存・活用を図ることを目的として、県内におけるアイヌ文化を調査・研究し、調査結果に関するシンポジウムを開催する。
この活動により、青森県の歴史的・地域的特質の解明や、民族問題が抱える人権教育の普及に大きく貢献できる。
また、本州で唯一青森県においてアイヌ文化を活用した観光や、文化的な取組みにも発展させることができる。
移動型・組立式の山車製作
はちのへ山車振興会
地域:八戸市
当会は、ふるさとの誇りである八戸三社大祭を守り、八戸地域の観光振興と地域経済の発展に寄与することを目的として、1968年に設立した。
本活動は、移動が可能な組み立て式の山車を27山車組が協力し製作する。製作する山車は、台座や装飾品のパーツを分解してトラックで運搬できるようにし、イベント会場などで簡単に組み立てられる構造。全国各地のイベントで披露して三社大祭の魅力を発信し、観光誘客や地域活性化につなげていく。
また、一連の製作過程を撮影して教材として使用できるようアーカイブに残し、祭りを通した子どもの教育や伝統継承にも役立てていく。
江戸藩政時代から明治に続く津軽の伝統的作庭様式の変遷 ~黒石に息づく大石武学流庭園と離れ~
特定非営利活動法人 元酒蔵の歴史的建造物群を保存・活用する会
地域:黒石市
当法人は、保存・活用のためのNPO法人を2015年に設立し、これまで母屋等の修復を進めてきた。
今回、修復の際、荒れ果てた草の中に崩壊寸前の離れと、庭園を発見し調査したところ、旧佐藤酒造に残された歴史的価値の高い大石武学流庭園であることが判明した。
本活動は、庭園の作庭様式の変遷や、津軽の歴史と文化、商人の庭園に関わる思いを明らかにする調査等を実施し、生涯学習の好機を提供する。
また、離れを完全修復して、市民にこれらの文化財を新たな文化施設として広く公開し、地域の賑わいの創出を図っていく。
むつ湾と日本一のアマモ場を守るDVDの制作と環境講座の実践
特定非営利活動法人 青森県環境パートナーシップセンター
地域:青森市
当法人は、環境保全・再生・創造に関する事業を行い、環境問題の解決と持続可能な循環型社会の形成に寄与する事を目的とし、2013年に設立した。
本活動は、青森県の恵み豊かな「むつ湾」のアマモ場を守る取り組みを行う。
内容としては、世界的社会問題になっている海洋ごみに対する知識・意識向上を目的とした啓発用DVDを製作し、子どもたちに視聴してもらう。アマモの海を守ることが地球環境を守ることにつながることを学び、「むつ湾」を自分たちの海として大切に思う心を育む。この活動を通して、海洋環境保全に寄与する社会づくりを目指す。
新たな地域教育「東通学」の開講 ~郷土学のプラットフォーム化~
一般社団法人 tsumugu
地域:東通村
当法人は、2018年に東通村に拠点を置く、地方創生に関わる事業のコーディネーターを行う団体である。
本活動は、担い手不足の影響を受けて、変化・消滅の可能性がある村の伝統文化の継承発展のため、新たな仕組みづくりと環境整備の推進を行う。
内容としては、村の歴史・文化・伝統芸能について学ぶことのできる講座(東通学)を開き、開催した講座の映像をオンラインプラットフォームに保存し、村民に公開する。メディアを通して次世代の地域住民が村の歴史を学ぶことが出来るようになるため、村内の若者たちの地域愛の形成及び、地域の未来を創る地域創生の人材の育成にもつながる。
コロナ禍における子どもたちの心の居場所となる「チャイルドライン」を確固たるものにするための組織強靭化事業
チャイルドライン あおもり
地域:青森市
当会は、電話を通して子どもの声を聴き、子どもの心に寄り添う活動を行っている。2005年有志による活動を開始し、2007年に発足した。
しかし、現在当会は青森県における知名度は決して高いとは言えず、存廃を問われる状況に陥っている。
本活動は、運営体制の大幅な見直しと併せ、ここ数年できなかった研修や広報、地域への情報公開等を事業の根幹として積極的に取り組むことで、組織の強靭化を図るとともに、子どもたちや地域における「チャイルドライン」の知名度を高める一助としたい。青森県の子どもたちにとって、心の居場所の一つとして地域に信頼される組織となることを目指す。
八戸都市圏交流プラザにおける地域の魅力発信プロジェクト!
八戸学院大学 堤ゼミナール
地域:八戸市
2020年9月、東京都日比谷「OKUROJI」に、八戸都市圏交流プラザ「8base」(エイトベース)がオープンした。八戸圏域の魅力の料理や地酒、特産品、さらには人の魅力に触れることのできる8baseは、圏域と首都圏をつなぐ拠点である。
本活動は、本大学の学生たちが、8baseを活用し、八戸圏域の地域の魅力調査・及び情報発信を行う。
内容としては、地域や商品の魅力を知る・伝える為のセミナーを受講する他、8baseやスーパーマーケットトレードショーの青森県ブースでの調査研究を通して、圏域と連携しながら地域の魅力を国内外へ発信し、地域産業の活性化を図っていく。
コロナに負けない!! 「楽しく学ぶ里山SDGs」
特定非営利活動法人 おどろ木ネットワーク
地域:青森市
当法人は、木と森の文化に育まれた活力ある地域社会の実現に寄与することを目的として2013年に設立した。
当法人が子どもたちに環境の大切さを知ってもらいたいと、毎年開催している「森林体験」・「ものづくり体験」等が、新型コロナウイルスの影響を受け、イベントの継続が危ぶまれている。
本活動は、子どもたちに里山とSDGsの関係についての理解を深めてもらうための、新たな安心安全な体験学習プログラムを実践し、自然環境の魅力を再認識する機会を創出する。
この体験学習をコロナに負けない強い地域イベントとして定着させ、交流人口の増加と地域の活性化に結び付けていく。
手話奉仕員養成講座講師育成研修事業〔手話言語指導講師育成〕
三沢ろう協会
地域:三沢市
当会は、聴覚障害者の社会参加推進と福祉の発展充実を図ることを目的とし1993年に設立した。
現在「手話言語条例」を制定する自治体が増えており、本県においても例外ではない。
本活動は、手話言語のパフォーマンスを通じた交流の推進及び地域の活性化に寄与する人材・後継者の育成を目的に「手話奉仕員養成講座」を開催し、ろう者と聞こえる人が共に支え合いながら、生き生きと豊かな人生を享受できる共生社会の実現を目指す。
青森県陸上競技の活性化及び普及活動
ユナイテッド アスリートクラブ青森
地域:青森市
社会人になると練習できる環境が少なくなり、活動が難しくなる陸上競技において、誰もが陸上競技を楽しみ・目指す自分になれるような環境づくりを目指し、2014年に当クラブを発足した。
本活動は、運動初心者からトップアスリートまでそれぞれの志向、レベルに応じたコース展開により、子どもから社会人・障がいをもつアスリートも活躍できる環境を整備することで、陸上競技を生涯スポーツとして取り組む。
また、合同練習会や記録会を実施し、個々の競技レベルの向上を図り、青森県から全国で活躍する陸上選手の排出、地域における陸上競技人口の増大に結び付けていく。
学生と農業者連携のSDGs活動
FFC無農薬農園 ひまわり
地域:青森市
代表者は、職場のタバコの副流煙が原因で「化学物質過敏症」となり長期間苦しんだ経験から、1997年より雲谷高原900坪で、完全無農薬農業に取り組んでいる。一昨年青森大学のSDGs研究会会長からの声掛けにより始まった学生たちとの「農業との連携」がスタートし、今年で3年目となる。
本活動は、完全安心・生態系を取り戻せるFFC技術を活用しての完全無農薬農園を通して「食は命」を学び・食し、これまでの農薬の歴史と、未来を思考する学習の場となるような農園の環境づくりを目指す。
また、エコツーリズムを目的とした観光の場所として、完全無農薬農業を体験してもらうことで、農業に対する理解が深まり、農業者の創出・育成にもつなげていきたい。